カチューシャ

 『秋』  鳥羽茂

 昼の楽屋のしづけさ。
 おしろいのついた硝子。
 窓の上にこほろぎが一匹とまつてゐる。
 少女はしづかにリーダーを読んでゐる。
 私は少女の為にだまつて鉛筆を削つてやつてゐる。

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