夜の庭

 夜の闇に目を凝らしてみると、百日紅の花がぼんやりと見えた。
 猫の目が光った。すぐにトラと判る。
 「トラ、トラ・・・」
 そろそろ家に入ろう。おまえのベッドで眠ろう。新しいタオルも敷いてやった。
 猫は聞く耳を持たず、草の中で飛び上がる。虫を追っているのか。またヤモリを咥えて運んで来るかも知れない。
 もういい。戸を閉めて寝てしまおう。
 猫も夜に飽きてしまい、やがて草の中で眠るだろう。

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