洋食屋

 馴染みのない町を訪ねて、駅前の路地を入ったところなんかに古い洋食屋があると、知らない町でも、ああ、いい町だなあと思ってしまう。
 子供の頃、洋食屋のコックさんは憧れの職業で、あっという間にかわいいコックさん、という絵描き歌でよく遊んだ。コックさんはいつでも白い上っ張りで、自分もあの帽子を被ってみたかった。
 今はもう、細長いスタンドキッチンで、白いコック帽が横一列に所狭しと仕事をしている洋食屋も少なくなった。

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